このトラブルシューティングガイドは、 Windowsストリーマーでブランクスクリーン(画面非表示)が正常に動作しないユーザーを対象にしています。
1. はじめに
ブランクスクリーン(画面非表示)は、リモート操作している際にリモート先コンピュータのモニタ画面を非表示にする機能です。これにより、書類や操作内容を他人に見られるのを防ぎ、プライバシーを保護します。
マイクロソフトによりWindows 10 Version 2004で行われた変更により、DPMSドライバ(タイプ2)やガンマ補正(タイプ3)を含む、以前のブランクスクリーン機能が無効化されました。現在、Windows ストリーマーに新しいブランクスクリーンメソッド(タイプ 4と5) を導入しました。 ブランクスクリーンのタイプにより、サポートするストリーマーのバージョンも異なり、さまざまな制限があります。 ブランクスクリーンを正常に動作させるためには、お使いのコンピュータでどのタイプのブランクスクリーンに適応しているか確認が必要です。
ステップ1:Windows OSのバージョンとビルドを確認
Windows 10をご利用の場合は「winver」コマンドを実行すると、 Windowsのバージョンとビルド番号を確認することができます。
Windows 10 バージョンとビルド |
||
バージョン |
コードネーム |
ビルド |
10.0 |
Threshold |
10240 |
1507 |
Threshold 2 |
10586 |
1607 |
Redstone |
14393 |
1703 |
Redstone 2 |
15063 |
1709 |
Redstone 3 |
16299 |
1803 |
Redstone 4 |
17134 |
1809 |
Redstone 5 |
17763 |
1903 |
19H1 |
18362 |
1909 |
Vanadium |
18363 |
2004 |
Vibranium |
19041 |
20H2 |
Manganese |
19042 |
21H1 |
Iron |
19043 |
ご使用のWindows 10がバージョン 2004以降の場合は、 Splashtop ストリーマーがv3.4.2.1以降にアップグレードされていることをご確認ください。 ストリーマーがv3.4.2.1ではブランクスクリーン タイプ4、v3.4.4.0以降ではブランクスクリーン タイプ5が表示されます。
Windows 10 1909以前(Windows Vista、7を含む)の場合、ストリーマーは、コンピュータにインストールされているWDDMドライバに応じて、タイプ 2、または、タイプ3の方法でブランクスクリーンを実行します。
ステップ2:WDDMドライバを確認
次の手順で、WDDM のバージョンを確認できます。
リモートコンピュータ(ストリーマー)でコマンド「dxdiag.exe」を実行してDirectX 診断ツールを起動し、「ディスプレイ」タブの「ドライバーモデル」欄でWDDM バージョンを確認します。
WDDM ドライバのバージョンが 2.2以降の場合は、ブランクスクリーン タイプ 3 - ガンマ補正 - が使用されます。
WDDM ドライバのバージョンが2.2以前の場合は、ブランクスクリーン タイプ 2 - DPMS が使用されます。
2. ブランスクリーンの制限事項
タイプ |
制限事項について |
2 |
- BIOS、ディスプレイカード、ACPI対応モニタが必要 - WDDM 2.2以降は非対応 |
3 |
- Win 10 2004以降は非対応 - DPMSドライバと競合 - 他ベンダーのミラードライバと競合 - 「ディスプレイ専用デバイス」は非対応 - USB / ディスプレイリンクモニタは非対応 - WDDM > 2.2 |
4 |
- モニターレス、および、蓋を閉じたノートPCなどは非対応 |
5 |
- Windows 10 2004以降のみ対応 |
3. 解決策
- ブランクスクリーン タイプ 3
ケース1:デバイスにDPMSドライバーがインストールされている場合
> DPMSドライバをアンインストールしてください。
モニタファイルに移動します [
C:\Program Files (x86)\Splashtop\Splashtop Remote\Server for CACHATTO\Driver\Monitor] (画像1)--> “uninstall.bat”/“uninstall64.bat” を選択--> 管理者として実行(画像2)
ケース 2:WDDMのバージョンが2.2以前の場合
-> ディスプレイデバイスのドライバ更新を行なってください。
例えば、Intel HD Graphics 520の最新グラフィックドライバの場合、インテルのWebサイトをご確認ください。
https://downloadcenter.intel.com/product/88355/Intel-HD-Graphics-520
グラフィックドライバを更新した後、dxdiagからWDDMのバージョンを確認してください。
ケース3:ブランクスクリーンが一部正常に動作しない場合
-> サードパーティのアプリが影響を及ぼしている可能性があります。 ブルーライト軽減などの目を保護するアプリがインストールされていないかご確認ください。 例:flux、iris
- ブランクスクリーン タイプ 5
ケース1:Windows 10のバージョンが2004以上だが、ストリーマーのバージョンが古い場合
-> ストリーマーを最新バージョンにアップデートしてください。
ケース2:USBモニタを使用していて、デバイスタイプに「表示のみ」と表示される
-> USBモニタまたは「表示のみ」モニタでブランクスクリーンを動作させるには、OSを Windows 10 2004以降、ストリーマーをv3.4.4.0以降にアップデートする必要があります。 ブランクスクリーン タイプ5は、ハードウェアへの依存度が低く、USBモニタ、または「表示のみ」モニタでほぼ動作します。
ケース3:ブランクスクリーンでマウスカーソルが表示される
-> ブランクスクリーン タイプ5では、以下の項目が制限事項として確認されています。
- ブランクスクリーンでマウスカーソルが表示される
- ログイン前、または、ロック画面で画面表示される
- 「Ctrl + Alt + Del」を押すと画面が表示される
- マウスカーソルをタスクバーのサムネイルの上に移動してウィンドウをプレビューすると画面が表示される
ブランクスクリーンの動作に関して、上記項目をお試しいただいても問題を解決できなかった場合は、Splashtop On-Prem サポートまで、ストリーマーのログを添付してチケットでお問合せください。 ストリーマーのログには、「ストリーマー」メニューの「詳細設定」タブ → 「ログフォルダを開く」リンクからアクセスできます。